一日目
8月某日
出発前日。移動距離の長さを考慮して既に東京に集まっていた我々。当初は今日一日を使って買い出しや移動計画の最終確認をしようと考えていました。
しかし折り悪く台風9号がまさに首都圏を直撃するコースで迫ってきており、下手をすれば新幹線ですら遅れが生じかねない雰囲気。一日目の移動計画が破綻することを避けるため、急遽本日中に首都圏を脱出することを決定します。
麦わら帽子(?)を購入し、緑の窓口に駆け込み、そのまま東京駅へ。
完全に失念していましたが、夏休み期間+休日夕方ということで下りの東海道新幹線は中々の混みよう。それでもなんとか自由席を確保、雲行きの怪しくなってきた東京に背を向け、一路豊橋駅へ向かいます。
19:57 豊橋駅到着、ということで2016年夏 うずまのよどみ紀伊半島熊野探訪旅行、ここに開幕。
一日目/紀伊半島上陸&伊勢神宮編
前日夜の段階で豊橋へ到着していたので、豊橋駅前からの初日スタート。首都圏は天候、交通機関共に大荒れとの情報ですがこちらは晴天。どうやら出発を前倒して正解だった様子です。軽く朝食を取り早速出発。
一日目の目標は「鉄道・バス・フェリーを乗り継いで伊勢市まで辿り着き、余裕があれば伊勢神宮へ参拝する」こと。東京からの移動を想定していたため、豊橋からスタートしている段階でかなり計画に余裕がありそうです。
まずは新豊橋駅にて今回使用する「豊橋・鳥羽割引きっぷ」を購入。片道大人一人あたり2060円。
その名の通り、豊橋鉄駅から鳥羽(伊勢湾フェリーの三重県側のりば)までの各種交通機関の運賃がセットになった切符で、これ一枚で豊鉄電車と豊橋駅前~伊良湖岬(同愛知県側のりば)までの豊鉄バス、フェリーに乗ることができます。ちなみに伊勢湾フェリーだけでも大人一人1550円かかるので、明らかにお得。
これを使って三重県鳥羽を目指します。
まずは新豊橋駅から渥美線に乗り三河田原駅へ。
30分ほどで三河田原駅着。
駅から出た瞬間やや風が強く空に雲がかかりはじめていて不安に。伊勢湾フェリーに電話をして確認したところ天気が急変しない限りは終日運行とのことだったので、これ以上天気が崩れないことを信じて一時間後のバスを待ちます。
バスの待ち時間に町を散策して見つけた力強いメッセージ
バスで伊良湖岬へ。
乗車時間は一時間ほど。岬が近づくにつれて景色の田舎度合いがぐんぐん上がっていきます。
伊良湖のりば 到着。
どうやら時刻通りに運航しているようで一安心。依然風は吹いていますが、気付けば晴れ間が見えています。ほどなく出航。晴天の下、こちらも1時間程度の船旅となります。平日ということもあってか混雑も無く、船内の座席に空きが見える程度の客数。
テレビからは関東の台風被害についてのニュースが流れていましたが、まるで別世界のニュースを見ているような不思議な感覚に。
そして案の定酔う。
予想できたことではありますが、やや荒れた海を往くフェリーは普段船に乗らない私にとってはかなりの揺れを感じます。最初の15分以外は、ずっと座席に沈み込んで窓から外を眺めながら船旅を終えました。
なんとか計画通りフェリーで三重県に到着。
最高気温38度などとなってますが、まずはフェリー乗り場から鳥羽駅まで徒歩。直射日光にガンガン体力を持っていかれます。
鳥羽の道端にはナチュラル伊勢海老
鳥羽駅に到着
ここまでスタート前倒しの時間的余裕を維持できているので、このまま伊勢神宮に参拝することに。道中で本日の宿に余分な荷物を預け、伊勢市駅へ。
今回の旅に出る動機の一つとなった青春18きっぷのポスターに使われた、池の浦シーサイドを通過。最高のロケーションです。
伊勢市駅着。
伊勢神宮は外宮から内宮へ、またそれぞれの場所では正宮(外宮なら豊受大神宮、内宮なら皇大神宮)から先に参拝するのが伝統的に正しいとされているとのこと。我々もそれに倣い、まず外宮からお参りしていきます。
伊勢市駅の出口からまっすぐ進むと、すぐに外宮が見えてきます。
さすがにスケールが大きい。
火除橋を渡ると、いよいよ神域。
ちなみに外宮と内宮では参拝時の通行の向きが異なり、内宮は右側通行、外宮は左側通行となっています。
まずは外宮の御正宮、豊受大神宮へ。
その名の通り、衣食住・産業の神である豊受大御神を祀ります。
個人的なお願いごとは控え、感謝の心を神前に捧げて参拝します。
続いて別宮へ。別宮とは「正宮の別け宮」の意味で、神宮の宮社では正宮に次いで尊いとされ、外宮には四つの別宮があります。
初めに外宮第一の別宮、豊受大御神の荒御魂を祀る多賀宮、
続いて土宮、
風宮とお参りします。
さらに続けて四つ目の別宮である月夜見宮へ…と行きたいところですが、内宮まで行って帰ってくる時間を考えて泣く泣くカット。外宮前のバス停から内宮行きのバスへ乗り込みます。
こちら片道15分で450円ほど。
外宮の入り口でも割と感動していた我々ですが、内宮はそれを更に上回る威容を誇っています。
宇治橋の前で一礼し、五十鈴川を越えていざ神域へ。
宇治橋を渡ると神苑が広がります。清々しい松、芝生、玉砂利が彩る、長く続く参道はまさに壮観。
五十鈴川の流れで身を清め、正宮に参拝します。
正宮、皇大神宮。
神社本庁の本宗であり、皇室の御祖神である天照大御神をお祀りしています。今日この日、無事にお参りできたことへの感謝を伝えます。
こちらもこの後回れる範囲で別宮を回ります。内宮には十の別宮がありますが、体力的にも時間的にも全てを巡る余裕がないので少しだけ。
内宮第一の別宮である荒祭宮(あらまつりのみや)。
外宮と同様に、こちらも主祭神の荒御魂が祀られています。
このあとは順路通りに進み、
内宮神楽殿の脇から、別宮、風日祈宮(かぜのひのみのみや)へ。
橋を渡って少し離れたところにあるため、人も少なくひっそりとした雰囲気です。思わず夏神社音声を録音。この辺りで体力的に厳しくなってきたため切り上げることにします。
参集殿で休憩して帰路へ。色々不完全燃焼なので、必ずまたお参りします。
帰りにおかげ横丁を少しだけ覗く。
もう夕方なので、全体的に店じまいの雰囲気で少し残念。
(この柑橘類ジュースは何なんだろう)
来たときと同じくバスで外宮前まで帰ります。
電車の時間まで外宮前で待ちぼうけ。
ロクに食事もとらずに動き続けていたので、ここでようやく栄養補給。
おばちゃんが一人でやってる喫茶店のようなお店で伊勢うどんを食べてみます。
疲れた身体でも食べやすいふよふよとした柔らかいうどんに濃いめのタレが良くあいます。
(正直想像していたより三倍くらい美味しかったです)
気を抜いていたら遅れそうになった電車に飛び乗り、本日の宿のある二見浦まで。
宿まで戻ってようやく一息。
まだ外がギリギリ明るかったので海沿いを歩き回って写真を撮ります。
最高の夏だ…
夕飯を食べて、一日目はなんとか無事終了。
ご当地のコーヒー飲んだり、明日の天気と電車の時間を調べたりしつつ就寝。
二日目へ続きます。